高齢出産母ちゃんの思いつき日記

Yahoo!ブログより、お引っ越ししてきました。

贖 罪  ~湊 かなえさん

夏と冬は唯一、本を読むことに費やせる時間が多い時期。
 
今年は、いろいろと研修なども入って忙しく、吟味して本屋で本を選ぶというよりは
気ぜわしく、店頭にどどんと鎮座している文庫を物色して数冊買って読んでます。
 
そのうちの1冊、湊かなえさんの「贖罪」を読んでみました。
湊さんというと、「告白」が映画化されて、その後も出す本がヒットしていますが
実は、「告白」もその後に出た「少女」も読んでいないのです。
もちろん、映画など観ていないし。
というわけで、初「湊かなえ」デビューとなりました。
 
「贖罪」は、WOWOWでドラマ化されたそうですが、もちろん我が家にはBSもWOWOWもないので
一切の先入観なしで読みました。
 
田舎町の4人の女の子たちが、直前まで遊んでいた友達を殺されてしまい、その犯人や死体を見てしまう。
でも、なぜだか犯人は捕まらず、女の子4人とも犯人の顔をよく覚えていなかった・・・。
数年して、殺された友達の母親から、「犯人を見つけ出すか、そうでなければ(相応の)償いをしろ」と言われてしまう。
 
4人の女の子一人ひとりが語りっぽく、殺された友達のお母さんへ向けて手紙を書いていたり、
実際に話していたりしているのだけれど、それぞれが人を殺めてしまう。そんな展開。
 
おもしろかったけれど、残念な気持ちになったのは、たぶん準主役的役割の殺された少女の母親
「麻子」という人物が、もう少し語ってほしかったって感じがして・・・私は、物足りなさを感じてしまった・・・。
 
その前までの展開やそれぞれの女の子がどのような思いや暮らしを経て、そうなってしまったかが
とてもよく描かれていたので、ますますそう思ってしまったのかもしれません。
 
逆に作者は、その4人の女の子たちとは対照的に描きたかったのかなとも思ってみたけれど、
だとしても、もう少し麻子について書いてほしかったと思ってしまいました。
 
ミステリー小説というのをあまり読まないせいか、次々と人が死んでいくのにはちょっと、読んでいて疲れました。
多分「告白」は読むとさらに窒息しそうな気がするので、私にはこのジャンルの本は
向いていないのかもしれませんね~~
 
ですが、湊かなえさんは心理描写が細かくて登場人物をいろいろと想像できて、かなりおもしろかったです。